講演会 2021年度 学会賞技術賞
- 開催日時
- 2023年3月3日(金)/14:00~16:00(開場13:30)
- 会 場
ウインクあいち 11階1103会議室
- 参加者数
- 37名
今回の講演では、2021年度の学会賞技術賞を受賞された以下の2作品ついてご講演頂きました。
新菱神城ビルの環境・設備計画
“下町らしい自然に配慮した快適環境×多様な関わりを生む空間構成×特に中間期の省エネルギーへの工夫”を計画コンセプトとして計画された施設である。“環境デバイス×コミュニケーションスペース”としての立体路地(吹抜階段)は、季節に応じてダブルスキンやサンルームとして省エネルギーに寄与している。執務エリアは“ダイナミックレンジ放射空調システム”と“変風量コアンダ空調”の2つの新規開発ダクトレス空調方式により、省エネルギー化に加え、階高抑制によりプラス1フロアーを実現している。その他にも、ドレン水気化熱を利用した循環型打ち水空調や臭気センサーによるトイレ換気アクティブ制御、ICT・IOT技術(多機能センサー、スマートメータ)を活用したモニタリングなど様々な取り組みが行われている。ZEB Readyに加えて、ASHRAE Technology Award世界最優秀賞を受賞するなど、今後のZEB建築普及に向けて最先端の事例である。
みなとアクルスの地産地消型スマートエネルギーネットワーク
面積約31haの工場跡地と既設の邦和スポーツランドを加えた約33ha(ナゴヤドーム6個分)の再開発で、“人と環境と地域のつながりを育むまち”を開発コンセプトに計画されている。環境・エネルギー対策に加えて、災害に強いまちづくりや賑わいのあるまちづくりに向けて様々な取り組みを行っている。供給事業者側の”コージェネ×蓄エネ×創エネ・未利用エネによる地産地消型のエネルギーシステムの構築”、需要家側の”AI空調(商業施設)×家庭用燃料電池群(集合住宅)”に加えて、“CEMS×デマンドレスポンス”や“低炭素推進協議会によるエネルギーマネジメント”などカーボンニュートラルに向けて、まち全体で取り組んでいる。コージェネ、太陽光発電、NAS電池、バイオマス電源、バイナリー発電、運河水熱利用により、CO2排出量65%削減の低炭素街区を実現しており、次世代まちづくりの好事例である。
文責:酒井(克)