開催日時
2024年3月8日(金)/14:00~16:00(会場13:30)
会 場

㈱LIXIL高岳ビル およびオンライン(Zoom)形式

参加者数
会場参加:31人、オンライン参加:19人

今回の講演では、2022年度の学会賞技術賞を受賞された以下の2作品についてご講演頂きました。

【高砂熱学イノベーションセンターにおける環境・設備計画と実施】

講師:木村 健太郎氏(高砂熱学工業(株))

本建物は「地球環境負荷低減と知的生産性向上を両立したサスティナブル建築」をコンセプトに計画されている。建築計画におけるコンピュテーショナルデザインを活用した方位毎の最適外皮負荷抑制に加え、設備的には地下水のカスケード利用、バイオマスCHP排熱利用、ペレットボイラー、潜顕分離空調や複数のパーソナル空調システムの導入、更には電力オフグリッドを目指した消費・発電量予測に基づくエネルギーマネジメントシステムの導入など、先進性・独創性の高い環境技術を複合的に採用している。実績として、オフィス棟単体では2020年度以降3年連続で『ZEB』を、敷地全体では同じく3年連続で「NearlyーZEB」を達成している。また、上述の再生可能エネルギーの活用に加え、グリーン電力購入によりカーボンニュートラルを実現している。

【京都市役所分庁舎における環境・設備計画と実施】

講師:田中 宏昌氏((株)日建設計)

本建物は「地産エネルギーを活用したKYOTO-STYLE ZEB庁舎の実現」をコンセプトに計画されており、既存庁舎の免震レトロフィットも併せて実施している。具体的には、①景観と調和する環境配慮技術の採用②地産エネルギーを活用する環境配慮技術の採用を計画コンセプトとし、①に対しては建物高さを抑えながらwellnessオフィスを実現する工夫として再生可能エネルギーを利用した放射空調や露出型段ボールダクトの採用、京都の伝統的な建物の特徴である「中庭」や「縁側」を現代風にアレンジしたパッシブ技術を取り入れている。②に対してはペレットボイラーや太陽光発電・太陽熱集熱及び井水熱を活用した空調システムを構築し、2020年実績として建物全体エネルギー消費量68%削減の「ZEB Ready」相当を達成している。

                                  文責:大野(智)