空気調和・衛生工学会 中部支部 第57期支部報告会
- 開催日時
- 2024年5月15日(水)/14時30分~16時30分
- 会 場
ウインクあいち 1204会議室 および オンライン(Zoom)形式
- 参加者数
- 【支部報告会】63名(現地参加:51名 オンライン参加:12名)【記念講演会】127名(現地参加:62名 オンライン参加:65名)
次 第
1. 支部報告会
(1)代表理事挨拶 副会長 大岡 龍三
(2)支部長挨拶 支部長 河路 友也
(3)報告内容
2023年度事業結果及び2024年度事業計画
2023年度決算及び2024年度予算
(4)第38回 振興賞技術振興賞表彰式
2. 記念講演会
演 題: 建築設備設計・運用に関わるAI利用の可能性
講 師: 大岡 龍三(東京大学生産技術研究所教授)
3.交流会
場 所:エルホールダイニング(名古屋市中村区名駅4-3-16 山本ビル5階)
1.支部報告会 14:30~15:30
参加者:63名(現地参加:51名 オンライン参加:12名)
学会本部より、大岡龍三副会長にお越しいただきご挨拶を頂きました。河路支部長より挨拶と体制の説明を、田中副支部長より事業内容について、閑林会計代表幹事より会計について報告しました。
続いて第38回振興賞技術振興賞表彰式では2つの業績が表彰されました。
1件目の業績
『岐阜市庁舎における土壌熱の多面的利用などの環境配慮設計』
・再生エネルギーの熱活用を主眼に置いた空調システムが構築されており、AIを活用した自動運転制御も導入することで、空調システム全体の高効率化が実現されています。基準一次エネルギー消費量に対し設計時では31%、実績値で42%の削減となり、ZEB Oriented(オリエンテッド)相当を実現しており、CASBEE評価においてもSランクを取得している点。
・現在も産官学が協力してエネルギー分析やチューニングが行われており、岐阜市の豊かな自然と豊富な地域資源の利活用と調和を目指し、「環境と調和する、人にやさしい岐阜」の実現に向け、環境政策をリードする建物となることが期待されている点。
が、評価されました。当日は、表彰状の授与、代表として株式会社佐藤総合計画の夏川裕介様にご挨拶をいただきました。
『岐阜市庁舎における土壌熱の多面的利用などの環境配慮設計』
【受賞者】
株式会社佐藤総合計画 様
岐阜市 様
シブヤパイピング工業株式会社 様
田中 英紀 様
鵜飼 真貴子 様
2件目の業績
『常盤工業新社屋における自然エネルギーを活用したパッシブ型ZEBの計画と検証』
・地域への影響や波及効果を念頭に置き、地域の気候特徴を利用した熱源システムを用いて、パッシブ技術とアクティブ技術を融合させたZEB建築です。得られた詳細なデータを公開することで、ZEB建築およびSDGsを地域へ普及させるべく尽力されている点。
・ZEBに加えて、快適性や健康性に配慮したオフィスとなっており、その効果も詳細に検証しています。地域への発信を積極的に行っており、環境性能評価でも多数のラベリング認証を獲得しています。移転前後のアンケート実施により、移転後の温熱環境の改善や作業性の向上も数値的に実証され、快適な環境実現を確認されている点。
が、評価されました。当日は、表彰状の授与、代表として株式会社日建設計の長谷川巌様にご挨拶をいただきました。
『常盤工業新社屋における自然エネルギーを活用したパッシブ型ZEBの計画と検証』
【受賞者】
株式会社日建設計 様
常盤工業株式会社 様
ピーエス株式会社 様
富士エネルギー株式会社 様
ゼネラルヒートポンプ工業株式会社 様
2.記念講演会 15:30~16:30
参加者:127名(現地参加:62名 オンライン参加:65名)
東京大学生産技術研究所 大岡龍三教授を講師として『建築設備設計・運用に関わるAI利用の可能性』と題して記念講演がハイブリッド形式で行われました。
それぞれの建築技術者が自分で培ってきたノウハウや知識に基づいて設計や運用を行ってきたことを、人工知能で置き換えられないかということについて考察・研究をしておられるとのことでした。
ニューラルネットワークによるシュミレーション手法の開発、メタヒュースティクスによる建築都市のエネルギーシステムの運用最適化、人工知能を用いた空調熱源システムのモデル予測制御について各種データを交え、ご説明いただきました。
また、今後のAIの利用はますます増大するものと予測されるが、現時点においては以下の課題として、
(1)AI導入によるその効果の定量化
(2)AI利用における予測や最適化の信頼性の保証
(3)AIによる判断・結果について誰が責を負うのか
(4)エキスパートの今後の役割
との説明をいただき、記念講演は閉会となりました。
会場での参加は62名、オンラインでの参加は65名、合計127名と多くの方にご参加いただきありがとうございました。また、大岡教授におかれましては、ご多用の折、大変貴重なご講演いただきましたことを厚く御礼申し上げます。
文責:総務幹事 成田貴治