本見学会は、各務原市様と新庁舎の設計に携われました㈱日本設計様のご協力により開催することができました。中部支部におきましては、昨年5月の“新型コロナウイルス感染症の５類感染症”移行を受け、約4年ぶりの見学会開催となりました。

　見学した新庁舎は、高層棟が令和3年9月に開庁し、低層棟は令和5年8月に竣工し同年11月に全面開庁しました。今回新築された新庁舎は、各務原市の特徴である航空宇宙産業や宿場町の街並み景観をモチーフとしています。また、環境配慮技術への積極的取り組みを表現する庁舎として、建築物省エネルギー性能表示制度（BELS）においてZEB Readyの認証を取得されています。また、航空自衛隊岐阜基地に近接することから、防衛省の一級防音補助事業に適合した高い防音性能を有した外壁や設備機器で構成することで、良質な室内環境を実現しています。

　見学会当日は、各務原市の苅谷様と島内様のご紹介後、日本設計の水田様と中西様に新庁舎の概要説明をいただきました。概要説明の中では、建築概要に引き続き、環境配慮計画の説明があり、採用された環境配慮技術の内、光ダクトシステム／太陽光集光装置／再生可能エネルギーを利用したデシカント外気処理空調／床放射空調他の具体的な説明をいただきました。庁舎内施設見学では、１・２階の待合ロビーをはじめ議場／委員会室／屋上／地下機械室他など主要な施設を案内いただきました。その中では、光ダクトの放光部／太陽光集光装置／太陽熱パネル／マイクロコージェネ／床放射空調／デシカント外気処理機／地中熱ヒートポンプチラーなどの様々な実機を直接目で見ることができました。庁舎内施設見学後の質疑も活発で、普段紹介いただけない設計で苦労されたお話なども聞くことができました。

　本見学会終了後に参加者からは「大変勉強になり良かった」とのお言葉もいただいており、本見学会を通じ空気調和ならびに衛生工学をはじめとした建築設備技術の知識を深めていただけたものと思っております。

文責：木村